アフォーダンス(その3)

目安時間:約 6分

\(^▽^)/
アロハ~!
 
しあわせ探検家の晋作です!
ご機嫌いかがですか?
 
さて、「CAMRの胎動-解題!実用理論辞典」の続きです。
今回は「アフォーダンス(その3)」です。
まずは、論文を見てみましょう。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
誤解してはいけないのは、アフォーダンスは観察者の要求や状況によって、対象物に与えられる性質ではない。物が本来持っている誰にでも与えられる公共性のある情報なのである。
 
たとえば、ある人にはむき身のカキは「気持ち悪いよ」と語りかけるかもしれない。だからといってカキの食べれるという物理的な性質が変わるわけではない。カキは誰に対しても多くの情報を提供する。しかし、その情報を見つけ取り上げるのは、受け手の能力や状態であったりする。
 
「だからどうした」という読者の声が聞こえそうだ。「まるっきりのたわごとではないか」と。まったくだ。今のところ、このアイデアは脳性運動障害を理解することをアフォードしそうにないではないか。少し具体例を出さなければ。
 
「還元主義(その1)※」のところで父親の例を出した。自転車と壁の間の隙間を通るところをもう一度考えてみよう。最初壁と自転車で作られた隙間を前に、父親は通り抜けれないと言い、横歩きの戦略が出た後では、「通れるかも知れない」と言っている。この変化をどう理解したらいいだろうか?
 
※「還元主義(その1)」の該当部位は以下の通りです。
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自転車と壁の間の細い通路を前にして、父親は「わしはここを通れん。自転車を倒すじゃろう。」と言った。私の返事は、「横向きに歩いたら?」だ。父親は少なくとも家に帰ってからは、横歩きの練習などしたことがない。父親は思案した上、健側・患側それぞれの方向への横歩きを試した。結局、「通れるかもしれんのう」と言い、健側方向への横歩きで通り抜けた。
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還元主義では、要素に分解していく。この場合は、認知という要素が変化したのかも知れない。さて認知はどのように変化したのか、どの程度変化したのか?認知の変化の程度はどの程度、「通れる」「通れない」という結果に反映されるだろうか?
 
これを明確にしようとするのが還元主義的アプローチであるにも関わらず、これを明確にできないのが現状である。また仮に明確にしたところで、状況が異なれば変化してしまう、ごく一時的で特殊な関係に過ぎないかもしれない。
 
水はどんなに見た目が変わろうともH2Oだが、認知と「通れる」「通れない」の間の関係など、あやふやでいくらでも変化しそうである。つまり他の場面で応用のできるような普遍的な関係ではない。ただし、少なくともこれまでの物の見方、枠組みでは難しいということだ。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
アフォーダンスは公共性のある情報だということですが、これまでの物の見方、枠組みではアフォーダンスを理解することは難しい、とも述べられていますね。
 
何が難しいのかと言いますと、従来の物の見方とは異なるパラダイムを理解する必要があるからです。前回「ギブソンの主張はまるで、従来的な科学へ挑戦状を叩きつけているかのようですね」と書きましたが、それはまさしくギブソンが従来的な物とは異なるパラダイムを提唱しているからです。
 
この部分については、少し説明をしておかないと次へ進みにくいと思いますので、次回から一旦「アフォーダンス」を中断して取り上げていきます。
 
【引用・参考文献】
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その1).上田法治療研究会会報, No.18, p17-29, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その2).上田法治療研究会会報, No.19, p1-15, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その3).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.1, p12-31, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その4).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.2, p76-94, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その5).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.2, p120-135, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その6 最終回).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.3, p120-135, 1996.
 
最後まで目を通していただき、ありがとうございます!
あなたにすべての良きことが雪崩のごとく起きます!
 
マハロ~!
 
 
 
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