リハビリのコミュ力

なぜなら・・・

 養成校で習うものとは異なるパラダイムによる視点を体得している

人の運動というのは、たくさんの要素が関わった非常に複雑な現象です。ですので、これを全部まるごと一気に理解することは、とても困難な作業になります。

 

そこでどうするかと言うと、全体をいくつかの要素に分解して、それぞれの要素について調べていく、というやり方をとります。これが、僕たちが養成校で習う“要素還元論”という視点です。

 

これは理学療法のみならず一般社会においても主流のパラダイムで、科学の発展や産業革命にも寄与したと言われる、非常に強力で有用なものです。

 

しかし、そんな要素還元論も万能ではありません。人は機械ではないので、単純に個々の要素を組み合わせて全体の出来上がり、というわけにはいきません。全体の振舞いは、単純に部分の振舞いを足し合わせたものとは異なる場合もあるのです。

 

そこで出てきたのが、“システム論”という視点です。システム論では、その時その場の状況によってシステムの構成要素も増減しますし、さらに個々の要素のみならず、要素間の関係性までも考慮します。

 

そして、僕たちが養成校で習うものとは異なるパラダイム、システム論による視点こそが、ベテランセラピストが経験的に体得しているものだと考えられるのです。

 

しかし・・・

ベテランセラピストは自分のやっていることをうまく説明できない

えっ?どういうこと?

 

と思われたかもしれませんが、実はベテランセラピストの多くは、システム論というパラダイムをよく知らない、あるいは、知識としては知っていてもその本質的な理解に至っていないことがよくあります。日本のリハビリの世界でシステム論が認知されてきたのは、比較的最近のことなので無理もないことかもしれません。

 

それでも臨床現場の中で「こうすればうまくいく」ということを積み重ね、経験的に結果の出る方法を体得していったのです。そして、システム論のことをよく知らないベテランセラピストは、自分のやっている事を自分の知っている言葉、つまり要素還元論のパラダイムによる言葉で説明しようとします。

 

しかし残念ながら、拠って立つパラダイムが異なっていると、現象の説明は全く異なったものになります。それで、「自分のやっていることをうまく説明できない」ということになってしまうのです。

 

このままでは、せっかく積み重ねた臨床知を後世に伝えることが困難になってしまいます。これはとってももったいないことですね。

 

そこで・・・

医療的リハビリテーションのための状況的アプローチの誕生

これらの問題を解決し、リハビリをより進化発展させていくために、〝医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ”が誕生しました。

 

英語で表記すると〝Contextual Approach for Medical Rehabilitation”となり、頭文字をとって略称をCAMR(カムル)と言います。

 

CAMRの特徴を簡単に挙げれば、システム論に基づいて人の運動システムの特徴を捉え、その特徴を踏まえた上でアプローチを構築する、と言えるでしょう。

 

そしてCAMRの理論を用いると、結果を出しているベテランセラピストがやっていることの多くを、かなり上手く説明できることがわかってきました。100%とは言えないかもしれませんが、それらの本質的な部分の言語化には成功していると考えられます。

 

ここで紹介している書籍、西尾幸敏著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」は、そんなCAMRの基本テキストです。

 

あなたも本書を手にして、目から鱗が落ちるような新しいリハビリの世界観に触れてみませんか?

 

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