還元主義(その2)

目安時間:約 7分

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アロハ~!
 
しあわせ探検家の晋作です!
ご機嫌いかがですか?
 
さて、「CAMRの胎動-解題!実用理論辞典」の続きです。
前回「還元主義」について紹介させていただきました。今回は、その続きです。
まずは、論文を見てみましょう。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
この考え方は、比較的原因のはっきりしている疾患では有効である。たとえば下腿骨折後に長期間ギプス固定をしている患者さんの問題点なら、私たちは比較的簡単に挙げることができる。つまり筋力低下と関節可動域低下である。もちろん意欲や痛みも大事な要素だが、多くの場合は筋力と関節可動域の改善によって患者さんの運動を改善することができる。一般にはこの二つに原因を還元することによって、私たちは分析に時間やエネルギーを使うことなく短時間に患者の問題を改善できるわけだ。
 
長い間、脳性運動障害においても還元主義が支配的であった。脳性運動障害の原因は、様々なものに還元されてきた。筋緊張の異常や姿勢反射の異常、相反性メカニズムの異常などだ。ボバース法はまさにこの3つの要素に原因を還元してきたと思われる。上田法は一面では、過緊張に原因を還元してきたように思う。
 
この還元主義に対する反論は以下のようなものである。世の中の多くの現象は、様々な要素からなり、その相互作用の結果である。たった一つのあるいは少数の原因に還元しきれるものではない。ある原因に還元している中では、切り捨てられてしまう大事な要素があるのだ、と。また複雑なシステムでは、ある現象を決定するような重要な要因は、場面場面で変わってくることがある。Aという場面ではBという要因が、Cという場面ではDという要因が決定的な役割を演じるかもしれない。
 
先の歩行の例を考えてみよう。体幹機能の低下がもっとも重要な役割を演じていると考えられるなら、セラピストは自然にその点に集中する。こうしてはからずも、他の部分は切り捨てられてしまう可能性が高い。一見すると重要な要素に集中しているようだし、問題もないと思われるが、状況が変われば全体のイメージも大きく変化してくるのである。そのような例を以下に挙げてみよう。
 
私の父親は片麻痺である。彼の歩行を決定する要因はしばしば変化する。家の前には急な坂道があり、退院以来そこを歩いたことがない。「自分には急すぎる。」というのだ。さて私はPTでありながら、家庭内で訓練などしたことがない。しかしあまり母親がうるさく言うので、私は訓練をすることになった。父親はよほど嬉しかったらしく、随分一生懸命に動いた。私の指示通り、「やってみよう」と言い、その急な坂道を降りて登った。
 
まだある。自転車と壁の間の細い通路を前にして、父親は「わしはここを通れん。自転車を倒すじゃろう。」と言った。私の返事は、「横向きに歩いたら?」だ。父親は少なくとも家に帰ってからは、横歩きの練習などしたことがない。父親は思案した上、健側・患側それぞれの方向への横歩きを試した。結局、「通れるかもしれんのう」と言い、健側方向への横歩きで通り抜けた。
 
つまりこれらの例が示しているのは、歩行に大きな影響を与える決定要因は、場面場面で変化するということだ。急な坂道では意欲が、狭い通路では、どのように体を使うかという運動戦略が重要な決定因となったことが考えられる。麻痺の程度や健側の筋力は変化していないからだ。ある場面で、最も重要な構成要素が決定されても他の場面では違う構成要素が重要な働きをするかも知れない。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
還元主義は、比較的原因がはっきりしている場合には非常に効率的で効果的なことを述べたうえで、その弱点にも言及しています。
 
世の中の複雑な現象は必ずしも少数の原因に還元しきれるものではない、ということと、仮に原因らしき要素を絞れたとしても、状況に応じて重要な役割を果たす要素が変化する可能性が指摘されています。
 
この辺りは、とても的を得た指摘のように思えるのですが、いかがでしょうか?
 
もうしばらく、著者の主張に耳を傾けてみましょう。
 
【引用・参考文献】
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その1).上田法治療研究会会報, No.18, p17-29, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その2).上田法治療研究会会報, No.19, p1-15, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その3).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.1, p12-31, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その4).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.2, p76-94, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その5).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.2, p120-135, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その6 最終回).上田法治療研究会会報, Vol.8 No.3, p120-135, 1996.

 
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アフォーダンス(その2)

目安時間:約 6分

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さて、「CAMRの胎動-解題!実用理論辞典」の続きです。
前回「アフォーダンス」の導入の部分を紹介させていただきました。今回は、

その続きです。
まずは、論文を見てみましょう。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
アフォーダンスはギブソンの造語である。基になっているのはアフォードと言

う動詞で、「~できる、提供する」という意味を持つ。アフォーダンスとは環

境に存在する事物から、動物(人を含む)に与えられる価値や意味である。こ

れまでのところ、価値や意味は人が判断するものであると考えられている。と

ころがギブソンは、見る者によって左右されない普遍的な価値が物から提供さ

れると考えているのである。
 
 たとえば、ある人がむき身のカキ(牡蛎)を見たとする。これまでの考えで

言うなら、過去に「食べることができる」という見るなり聞くなり食べるなり

の経験をしており、それを基にカキが自分に取って食物であるという意味を人

は判断するのである。しかしギブソンによるとそうではない。むき身のカキは

もともと「食べれるよ」と語りかけているのである。しかも観察者(つまり私

たちを含む動物)が空腹かどうかに関わりなく、語りかけているのである。
 
 一つの物体はたくさんの情報を提供しており、どの情報が受け取られるかは

観察者との相互作用の結果による。台所の食卓の前の椅子を考えてみよう。普

通この椅子は「座って」と語りかける。このことを座ることをアフォードする

と表現しよう。幼児なら這いあがることをアフォードする。ゆで卵を持ったと

きに、座面でコンコン殻を割ることをアフォードするかも知れない。あるいは

夫婦喧嘩の中では、相手を打ち据えるために振り上げることをアフォードする

かも知れない(わが家の話ではない)。棚の上の物を取るときには、その上に

立つことを・・・きりがないのでやめる。
 
 椅子が無限のアフォーダンスを持つように、私たちの暮らす環境も無限のア

フォーダンスを含んでいる。それらは知覚すべき物として常に存在する。それ

らにどのような価値を見いだすかは、観察者による。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
ここで、「アフォーダンスとは何か?」という部分が語られています。従来的

な考え方では、ある現象の意味や価値は、人が見い出すものだと考えられてい

ました。
 
しかし、ギブソンは環境からも普遍的な情報が提供されていると言います。結果

として、両者の相互作用によって、その時その場の状況に応じて、情報の意味

や価値が決まることになります。
 
ギブソンの主張はまるで、従来的な科学へ挑戦状を叩きつけているかのようで

すね。なぜなら、従来的な科学では「再現性」というものが重視され、「その時その場の状況によって、、」などという曖昧さは、徹底的に排除したいことのはずだからです。
 
はてさて、この後の展開やいかに・・

 
【引用・参考文献】
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その1).上田法治療研究会会報

, No.18, p17-29, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その2).上田法治療研究会会報

, No.19, p1-15, 1995.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その3).上田法治療研究会会報

, Vol.8 No.1, p12-31, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その4).上田法治療研究会会報

, Vol.8 No.2, p76-94, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その5).上田法治療研究会会報

, Vol.8 No.2, p120-135, 1996.
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その6 最終回).上田法治療研

究会会報, Vol.8 No.3, p120-135, 1996.

 
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