CAMRの胎動-解題!実用理論辞典

目安時間:約 6分

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ご機嫌いかがですか?
 
今回から「CAMRの胎動」というコーナーを設けました。
ここでは「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」の著者でCAMR研究会代表でもある西尾幸敏氏が、1995年から1996年にかけて上田法ジャーナルに連載投稿した論文「実用理論辞典-道具としての理論」を紹介していきます。
 
この論文はCAMR公式ホームページで全文閲覧できますので、興味を持たれた方は是非読んでみてください。
 
なぜこの論文を取り上げたかといいますと、読んでみてとても面白かったから、という極めて個人的な理由です。
 
いや、「面白かった」という表現は正しくないかもしれません。むしろ、「驚いた」といった方が近いかもしれません。
 
今から20年以上も前に、これほどの内容が書かれていたなんて!
 
本当に、いい意味でショッキングでした。
 
今現在と比べると、内容的には未熟で未完成な面もあるかもしれませんが、それを補って余りある魅力を持った論文です。
 
全体の構成は冒険的、革新的であり、その論点・論調は挑戦的、野心的でもあります。
 
そして何より驚いたのは、すでにCAMRの胎動が明らかに感じられるということです。実はCAMRは、20年以上も前からこの世に生を受けていたんですね。
 
さて、この論文では24項目にわたる理論の説明がなされていますが、その中で主だったものを紹介していきたいと思います。
 
まずは、論文の冒頭の部分を引用しておきます。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
はじめに
 
普段は明るい親友のA君の元気がないとする。ふさぎ込んで口もきいてくれない。あなたはいくつかの理論、つまり現象を説明するためのアイデアを考えるだろう。酒の飲み過ぎか、彼女に振られたか、病気にでもなったか。あなたはこれらの理論に基づいて行動を起こすだろう。たとえば、近づいて臭いを確かめる。酒臭くなければ、彼の女友達に電話して事情を聞くかも知れない。特に問題がなければ、あなたは病気を疑い、彼を病院につれていこうとするだろう。
 
理論は、「自然現象や社会現象がどうして起きるのかを説明するための抽象的なアイデア」である。私たちはそれを基に解決手段を導き出すことができる。つまり、理論は問題解決の道具と考えることができる。
 
臨床家にとっては、理論を道具とみなすことは都合がよい。理論の真偽を気にしなくて済むからだ。ある現象を説明するために二つの理論が存在するとする。しかし道具として考えるならば、どちらの理論が真実に近いとか考える必要はない。道具であれば用途によって、向き不向きがあるのが当然である。スープを飲むならスプーンが良いし、肉を食べるならフォークがよい。つまり真実に近いあるいは近くないなどと思い悩まなくて済む。単に使い方の問題と考えれば良い。
 
結局どのような旧式の理論でも、うまく使える場面があるはずだ。逆にどのような優れた理論にも限界がある。道具としてうまく使うためには、使用目的と向き不向き、使い勝手を十分理解しておく必要がある。この実用理論事典の目的は、臨床でまだ十分に道具として利用されていないアイデアを、臨床家が徹底的に道具として使用できるよう紹介することである。そうして、それを基に新しい評価法や訓練法のアウトラインを創り出していこうと思う。そのために、紹介されるアイデアは長所と限界が徹底的に追及されていくだろう。
 
はっきりさせておきたいのは、私の立場である。ここで紹介される視点や理解の仕方は、あくまでも私自身のものである。つまり一理学療法士の、そして学問的には素人の意見だ。しかも私自身はどちらかというと、自分のお気に入りの道具なら、誰彼構わず勧めてしまう人間である。セールスマンに近いのかもしれない。「どうぞお使いになってみてください。決して損はさせません。」と言うわけである。もっと学問的なものを望まれる人は、最後に挙げた文献を参考にして欲しい。
 
事典の最初の項目は、「アフォーダンス」から始まる。上田先生からの勧めでもあり、また私自身にとって、現在最もお気に入りの道具の一つである。普通の事典と違って、項目はあいうえおの語順に並べられたりしない。また、同じ項目が何度も繰り返しでてくる。一見すると無秩序に見えるが、ある秩序に従って書き進めてみるつもりである。
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
【引用文献】
西尾幸敏:実用理論事典-道具としての理論(その1).上田法治療研究会会報, No.18, p17-29, 1995.

 
最後まで目を通していただき、ありがとうございます!
あなたにすべての良きことが雪崩のごとく起きます!
 
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なぜCAMRなのか?(その2)

目安時間:約 5分

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CAMRをおススメする理由の続きです。
一つ目は、システム論をベースにしている、という点でした。
 
二つ目は、人の運動システムの作動の特徴に基づいてアプローチを構築している、という点です。
 
例えば一般的には、疾患によって症状や障害の特徴が異なるので、疾患別リハビリテーションという形で、疾患ごとに評価項目や治療方法が検討されることがよくあると思います。もちろん、これは有益なやり方の一つですでの、それはそれで良いと思います。
 
一方で、CAMRではより本質的・原則的なところに着目しています。それが、人の運動システムの作動の特徴、ということです。
 
人の運動システムの作動の特徴は、神経疾患であろうと、運動器疾患であろうと、内部疾患であろうと、変わりません。具体的な部分に着目するとまったく違うように見える現象も、より抽象度の高い視点でみると、その本質や原則は同じだということもあり得ます。
 
つまり、この本質・原則をつかんでいれば、ブレることなく、どんな疾患にも対応できる基礎をつくれる可能性がある、ということです。
 
例えば運動分析の視点の一つに、正常歩行、異常歩行といった概念があります。多くの若い健康な人の歩き方を運動学的に分析して、そこから抽出された標準的な歩行様式が運動学的な「正常歩行」と理解されています。
 
クライエントの歩行を調べて、その「正常歩行」と比較して、逸脱した要素が顕著に表れていれば、「異常歩行」と認識するわけです。
 
ここでは運動学的な分析をしていますので、ここで捉えられる異常な要素とは、「患側の支持期に反張膝が見られる」とか「患測の立脚期が短い」といった、主に運動の形や時間差に関わる部分ということになります。
 
そして異常な要素があれば、「なぜそうなっているのか?」と問いを立て、その原因を探ってアプローチにつなげていくわけですね。
 
これをCAMRの視点で見直してみると、少し異なった解釈になります。
 
「患側の支持期に反張膝が見られる」とか「患測の立脚期が短い」といったことは、運動学的に正常であろうが異常であろうがおかまいなく、「クライエントが自律的に問題解決を図ろうとした結果」というふうに捉えます。
 
そして、「このクライエントの運動システムが選択した問題解決方法とは何?どのようなもの?」と問いを立てて、アプローチにつなげていきます。
 
一般的な見方による運動の形や時間差の異常は、多様な様式となって現れます。そして疾患によって特徴がマチマチなので、疾患別リハビリテーションというものに帰結するのもごもっともなことです。
 
一方で、より本質的・原則的な運動システムの振舞いに着目すれば、それらはすべて同じく、症状などに対して運動システムが問題解決を図ろうとした結果、と考えられるので、また異なったアプローチを導き出せることがあります。
 
ここでも、一つのパラダイムだけに依存した視点よりも、二つのパラダイムによる視点を状況に応じて使いこなせる方が有利だということが当てはまると思います。
 
また、将来的には病気を治せる時代が来ると思われます。そうなったら例えば「脳を治す」というようなリハビリは必要なくなります。
 
リハビリ自体の必要性がまったくなくなるわけではありませんが、そのように時代にも生き残ることができるのは、いくら時代が変わろうとも変化しない、本質的な部分を扱っているものになるのではないでしょうか。

 
最後まで目を通していただき、ありがとうございます!
あなたにすべての良きことが雪崩のごとく起きます!
 
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